【もしかして毒親?】自分の父親に違和感を感じたら…チェックすべき20ポイント
近年ニュースやネットでよく目にするようになった「毒親」という言葉。「毒になる親」を略したものと言われ、「毒親育ち」の体験談を語った漫画などは重版がかかるほど、多くの人の関心を集めています。人間関係の中でも、特に影響をうける時間が長いことから、根が深くなりやすい「親子関係」の問題。今回は問題の影に隠れやすい「毒となる父」について取り上げます。
「毒親」の話題になるのは「毒母」ばかり?問題の影に隠れやすい「毒父」
「毒親」体験談などを見ていると、まず「母娘関係」の話題が多いことに気づかされます。「毒親」の語源ともいわれているスーザン・フォアードによる『毒になる親』では、毒親のチェックリストについては父母の共通項目としていますが、こと国内では、エッセイなどの影響もあり「毒親」=毒になる母のイメージが強い人も多いのではないでしょうか。今20代・30代の人たちが子どもだった頃はまだ専業主婦世帯の方が共働き世帯よりも多く※、子育てにおける母親の役割が大きかったことも、その一因でしょう。
しかし、そういった体験談をよく読んでみると、問題を抱えた父親の存在もまた確認できるはずです。
※厚生労働省資料「配偶者手当の取り巻く環境について」より
「毒親育ち」に気づくことが第一歩
「毒親」をとりまく問題を解決に進めるにあたって、大切なことは「自分の親は毒親だったかもしれない」「育てられた環境が今の自分にネガティブな影響を与えているのかもしれない」と気づくことです。それは自分の親を「毒親認定」して、親にぶつける、親を責め立てるということではありません。
気づくことで
・親と「適度な距離」を保つようにする
・自分を責めすぎず、自由な選択をできるようになる
といった前向きな行動をとれるようになるのです。
この記事では、Quorum編集部が毒親の中でも、特に「毒父」に見られやすい傾向を調べ、チェックリスト化して紹介しています。家族問題の形は人それぞれですので、絶対的な評価基準になるものではありませんが、少しずつでも前に進むためのお手伝いになれば幸いです。
子ども時代チェック10
まずは子ども時代の環境を振り返ってみましょう。「毒父」の特徴は「〜をされた」よりも「〜をしなかった」というポイントが多いのが特徴的です。思い当たるポイントがないか確認してみましょう。
- 母親に理不尽な叱られ方をしていても止めてくれなかった
- 父は自分よりも母親の肩を持っていたと思う
- いわゆる「尻に敷かれている」父親だった
- 父親から「スポ根」的な努力を要求された
- 父親が怖く、帰りが遅い時は正直ホッとした
- 父親の接し方が子どもの性別によって明らかに違った
- 「自分が子どもの頃に比べたら」と、祖父母の教育論を持ち出されることが多かった
- 父親は仕事が忙しい「企業戦士」で、あまり存在感がなかった
- 父親は家庭よりも仕事を優先していて、約束していた予定がなくなることが多かった
- 父親の機嫌をとるために、母親と「協力」していた
「毒父」の場合、「家庭」に対する接し方が消極的・積極的の両極に別れるところも特徴的です。こうした「父親像」を「かっこいい」もの、ひいてはあるべき姿としていた社会背景もまたありました。
大人になってからチェック10
大人になってから気になってきたポイントがないかチェックしてみましょう。感じ方に
男女差が出る部分でもありますので、後半の6ポイントはそれぞれの場合で紹介します。
- 父親の職場に対する愚痴をよく聞くようになった
- 父親には仕事以外の交友関係が少ないと感じる
- 父親が自分に対してしたひどいことを「都合よく解釈」していると思う節がある
- 大人になっても自分の変化を父親に伝えることに緊張する
男性編
- 父親と話す時、ついつい「仕事」の話を避けてしまう
- 仕事をやめたいと感じた時、父親の顔が浮かぶ
- 自分の中に「あるべき父親像」があり、自分の父親のようにはなりたくないと思う
女性編
- 付き合う男性を選ぶ際に、年収や趣味嗜好といったこと以上に「自分に対する態度」を評価基準としている
- 「娘は父親に似た人を好きになる」という心理学の通説にゾッとする
- 自分は父親にとって「いい娘」であると思う
家族の問題はそれぞれ度合いこそことなりますが、ある程度のパターンもまた研究によって見えてきています。自分が幸せに毎日を過ごすために、ちょっと客観的に自分を捉えてみる機会をもってみてもいいかもしれません。
参考文献
スーザン・フォワード(1999)『毒になる親』(玉置悟 訳)毎日新聞出版
高橋リエ(2019)『気づけない毒親』株式会社PHP研究所
水島広子(2018)『「毒親」の正体 精神科医の診察室から』新潮社
諸富祥彦(2016)『「プチ虐待」の心理』青春出版社
信田さよ子(2008)『母が重くてたまらないーー墓守娘の嘆き』春秋社