【もしかして毒親?】自分の母親に違和感を感じたら…チェックすべき20ポイント
ここ数年、何かと耳にすることが増えた「毒親」という言葉。その名のとおり、子どもにとって「毒」になる親を指す言葉で、子どもが大人になってからも抜け出せず苦しむことでも問題になっています。「毒親」問題が長引く最も大きな原因は、当事者が「気づいていない」または「気づいていないふりをして」、「生きづらい」思いを抱えたまま、年齢を重ねてしまうこと。まずは、いくつかのポイントからチェックしてみましょう。
そもそも「毒親」とは
「子どもにとって毒になってしまう親」、略して毒親。スーザン・フォワードというセラピストによる著書『毒になる親』(原題:Toxic Parents)が元になっている言葉です。最近言われ始めた言葉のようですが、その元とされている本は意外にも古く、1989年に出版されたもの。その本は「自己肯定感が低い」原因として「親の育て方」をあげており、そうした問題が実に90年代に入る前から世の中に認知され始めていたことがわかります。 しかし、「虐待」や「ネグレクト」といった問題がニュースなどで取り上げられるなかで、衣食住には困らなかったものの、親の強すぎる「自己愛」や過保護のもとで育った子どもたちは「ちゃんと不自由なく育ててもらったのだから親に感謝すべき」という世間の声のなかでますます自分をとりまく問題に気付きづらい社会ともなっていきました。
「毒親育ち」に目を向けること
海外では1990年代に入った頃には「親の育て方」への問いかけがなされていたのに対して、日本国内でその問題が一般的に語られるようになったのはつい最近のこと。2015年以降「毒親」に関する本がつぎつぎに出版されるようになりました。どの本もメッセージとしていることは、まずは親であっても子であっても「気づく」こと。 この記事では、Quorum編集部が「毒親育ち」チェックリストをご紹介します。毒親に関するさまざまな資料をもとに、独自に作成したものとなりますので、多種多様な「家族の問題」を網羅できるものではありません。しかし、「世の中で言われているほどひどい親ではなかったと思うけど、でも自分は今生きづらさを抱えている」と少しでも思い当たる人は、ぜひチェックしてみてください。 今回は、毒親問題でも特に顕著になりやすい「母娘関係」について「自分は毒親育ちだったかも」と気付くためのチェックポイントです。
子ども時代チェック10
まずは、子ども時代の育てられ方で思い当たるポイントがないかチェックしてみましょう。
- 母親に褒められた記憶よりも、怒られた記憶の方が多い
- 何かに挑戦しようとしている時に、母親に否定的な言葉をかけられやめたことがある
- 辛い時、母親には慰められたことより叱咤激励されることの方が多かったと思う
- 母親に自分が仲良くしている友だちの悪口を言われたことがある
- 家の外で起こったこと(学校でのトラブルなど)に母親が過剰に反応して「恥ずかしい」思いをしたことがある
- 母親の外での評価の中には「自分がちゃんと育っていること」があった
- 周りの友達と比べて、極端な自分の母親独自のルールがあった
- 母親に言われたことで、容姿についてその点がコンプレックスになったものがある
- 「母親が不機嫌」な状態になることが怖く、顔色を伺うことが多かった
- 母親に「父親」について苦労していることの愚痴をよく聞かされた
これらは「毒親」に関する文献や資料で挙げられることの多い基本の項目です。
大人になってからチェック10
ここからは大人になってから感じているポイントがないかチェックしてみましょう。
- 就職など人生が大きく変わる選択をする際、母親に話したらどんな反応をしそうかついつい考えてしまう
- 年末年始など親戚が集まる場は苦手だが、無理して参加することが多い
- 自分の母親のことを人に悪くいうのは、人ととしていけないことだと思う
- 兄弟や周りの友人に比べて、自分は母親への思いやりがあると思う
- 母親が祖父母の愚痴を言い始めると、嫌な気持ちになるが聞いてあげることも子どもの役目だと思う(聞くのは嫌だと思いながらもさえぎれない)
- 母親に恋人を紹介することを考えると非常に緊張する
- 子どもの頃親から禁止されていたものに、反動のようにハマってしまったものがある
- 母親は自分が子どものころにしたひどいことを覚えていないように感じる
- 自分が母親に似た行動やしぐさをすることがあるのに気づいた時、ゾッとする
- 母親の言っていた「常識」はそこまで常識でもないことに気づかされることが多い
どれか1つが当てはまっても「毒親育ち」である可能性はあります。また「そこまではっきりとは言えないけど、いくつか思い当たる項目がある気がする」人の方が自分の本当の気持ちを封じこめてしまっているかもしれません。 はっきりと病理的な思いでなくても「自分の行動に自信が持てない」「今までの行動や選択が間違っていた気がする」など、「自分を責めすぎてしまう」人には、その思いの原因に「毒親育ち」があるかもしれません。
参考文献
スーザン・フォワード(1999)『毒になる親』(玉置悟 訳)毎日新聞出版
高橋リエ(2019)『気づけない毒親』株式会社PHP研究所
水島広子(2018)『「毒親」の正体 精神科医の診察室から』新潮社
諸富祥彦(2016)『「プチ虐待」の心理』青春出版社
信田さよ子(2008)『母が重くてたまらないーー墓守娘の嘆き』春秋社