【もしかして毒親?】話題の「毒親連鎖」を徹底解剖!「毒」は遺伝する?!

親から子どもに受け継がれる生物学的な性質は「遺伝」といいますが、行動や精神面が受け継がれるのが「連鎖」。実は毒親もまた「連鎖」しやすいことがわかっています。「遺伝」と違い、「連鎖」は自覚や行動変容によって断ち切ることができます。なぜ連鎖が起き、そこにどう立ち向かって行けばいいのか、詳しく解説していきます。

性格の遺伝、行動の連鎖

親子問題がやっかいな理由の一つに「血が繋がっている」ということが挙げられます。「血は水よりも濃い」(血縁者の絆は、どれほど深い他人との関係よりも深く強いものであるということ)ということわざもあるように、本人が望もうが望むまいが、生まれる先は選べず、成人するまで程度の差こそあれ「育てて」もらわねばならず、人は「家庭」という社会的な拘束力のある枠組みの一員として捉えられます。

血縁関係との戦いというのは、しばし作品のテーマともなり、スターウォーズシリーズなどもその代表例と言えます。主人公の敵が実は父親であると序盤で発覚し、「悪の血筋との葛藤」がその後の命題となっています。

親と子は同じ環境を共にする時間が長いことから、お互いがお互いに影響を与えやすいものですが、それ以上に親子が「似る」理由に、「遺伝」があります。

親から子に伝わる「形質」のことを「遺伝」と呼びますが、代表的なものとして

  • 血液型
  • 顔、体のつくり
  • 性格

が挙げられます。

この中でも毒親に困っている当事者にとって一番怖いのは「性格の遺伝」ではないでしょうか。性格が遺伝するか否かについては、長い間、議論と研究が重ねられてきましたが、遺伝子の共通点が多い「一卵性双生児」の、好みや発言が似通うことから、性格が遺伝することは疑いようのない事実となってきました。

では、毒親の「毒」もまた「遺伝」するのでしょうか?

結論から言えば、答えは「いいえ」です。毒親の「毒」は性格からくるものもありますが、あくまで行動であり、性格は行動に作用する「傾向」でしかありません。

「毒親」の子が「毒親」になりやすい、いわゆる「毒親連鎖」が話題になっていますが、これは遺伝によるものではなく、その環境下で育ったが故に影響をうけやすいからこそ同じような行動をとってしまうために起こります。毒は「遺伝」ではなく、あくまで「連鎖」なのです。

近年話題となっているアドラー心理学では、こうした「遺伝」や「環境」を「材料」と捉え、結果的にその材料をどう使うかを決めているのは自分であるとしています。

同じ材料(遺伝や環境)を使ったからといって同じ家(人生)が建つとは限りません。ある人は南国の別荘風の家を建てるでしょう。ある人は機能的なビルを建てるかもしれません。材料はあくまでも材料でしかありません。それをどのように使うか、という自由を私たちは持っているのです。 今のあなたの人生は、あなたが材料を使って自分で建てた「あなた自身の家」なのです。

ttps://diamond.jp/articles/-/140340 ダイアモンドオンライン「あなたの人生に革命を起こす「アルフレッド・アドラーの言葉」を特別公開!」より

連鎖を断ち切るためには

アドラー心理学においても指し示されているように、親のどのような性格を受け継いでいるのか、自分はどんな環境で育ってきたのかを客観的に捉えれば、その先に続く自分自身の行動は変えられます。

「親から自由になる」ことは、理解の足りない人からは「反抗」のように受け取られることがありますが、実際はそうではなく、「親から受け継いだものが何かを冷静に認める」作業になります。親の行動で生きづらさを感じてきたのであれば、本来はそれは「真似して」はならないものです。しかし、漫然と過ごしながら親との関係をなあなあにしていると、それは「似」ざるをえません。自分が「親と共通している性格」は何かを知り、自分はこの先の人生で、その性格をどう活用し、どう行動していくのかを考え、実行に移していくこと、それが連鎖を断ち切り、本当の意味で自立する第一歩です。